みなさまこんにちは!
旧正月を迎えた石垣島。最近の変わりやすいお天気は春が近い証拠ですね。
あっという間にもうすぐ2月。年度末。新年度。。。と息つく間もなく時間が過ぎていくような毎日。
たまにはのんびりしたい。ゆっくり自分だけの時間を過ごしたい。
そんなときこそ何も考えずに、ふらっと石垣島でノープラン旅行をしませんか?
もちろん家族や仲のいいお友達とレジャーを楽しむのも最高の時間。
石垣島はそれだけではありません。本来の『島時間』をゆったりと楽しむ贅沢もあります。
今回はそんな贅沢を「誰でも手軽に」体験できる民具講習会のご紹介です。
訪れたのは、やちむん館工房 紗夢紗蘿(さむさら)。
石垣空港の近く、ホテルミヤヒラからは車で25分です。
一周道路沿いに大きなまるい看板が目じるしです!
角を曲がって農道を進み、二つ目の看板を左に曲がると奥に工房があります。
工房内は自然のアトリエといった雰囲気。
色々な植物があって、お庭を見て回るだけでもおもしろくて興味がどんどん広がります。
講習会は朝10時30分頃にスタート。11時過ぎに行ったので会はすでに始まっていました。
この縁側に座って作業をします。
今回は初めての挑戦だったので、メニューの中でもいちばん簡単な「月桃円座」づくりにチャレンジしました。
写真下のまるいもの(完成品)です。直径10センチ、コースターサイズです。
これで講習代1,000円(材料費込)です。
材料は月桃の葉のみ。一番上の太さ1㎝くらいの月桃の葉を細く割いた月桃の束に編んでいくようなイメージです。
月桃は石垣島のそこら中に自生しているので、材料さえあればいつでもどこでも作れるんですよ!
月桃の葉は大きいもので1メートルぐらいあり、これを細く割いて乾かします。
1週間天日で乾燥させて、使うときには水を吹きかけてやわらかくします。
こちら講師のシュウコさん。
出身は石垣島ではありませんが、この地に長く住んで民具作りに携わっているそうです。
はじめに芯になる部分を束ねて片方を結びます。
透明のチューブを通しているのは芯の太さを均一にするため。
完成図を見てなんとなく想像していた通り、芯の結び目からから外に向かって太い月桃を渦巻き状に編んでいきます。
最初の一周をシュウコさんに実演しながら説明していただいた後は、さっそく自分で編んでいきます。
ところどころでコツを教えていただきながら針をすすめます。
「誰でもできる」と聞くほど余計に「できなかったらどうしよう」と不安になっていましたが、
なんとなんと、できているじゃない!!とこの時点で自分に感動(笑)
あとはもくもくと同じ手順で編むだけです。
途中で芯になる月桃の束を継ぎ足したり、編む葉の方も短くなれば新しいものを継ぎ足したりしながら
気を抜かず丁寧に丁寧に針を進めます。
針の刺す位置や織り目の向きなど、自分なりに試行錯誤しながらもくもくと。
作業をしていると、ときどき近所のおじさん?などが訪ねてきて声をかけられたり。
そこでおしゃべりが始まって、隣で講習に参加している方ともお友達になったり。
緊張したのは最初の10分だけで、あとは成り行きにまかせて時を過ごします。
わたしはこの日お弁当を持参していたのですが、ほかの参加者の方たちは皆さんこちらに通っている方で、
シュウコさんが「お昼ごはんにしましょっか」と声をかけると、
みなさん持ってきたお弁当を片手にゆるゆるとちゃぶ台に集まり、その場にいた全員でお昼ごはんを食べました。
いろんな話に花が咲いて、お茶をすすりながらとても和やかな時間です。
ゆっくりゆっくり作業をして、ここまでで所要2時間くらい、休憩もはさんでいるので3時間くらい経過しています。
編んでいる針は、「しつけ針」の太いサイズ。一般的な手芸店で購入できます。
みなさんそれぞれ作業を進めています。
手前の大きな葉っぱはアダンの葉。これを乾かして「かご」の材料にするそうです。
こちらはアダンのぞうり。
この方は初めてのアダンぞうり作りですが、工房の方も驚くほどの腕前!!
こちらは「あんつく」、言うなればポシェットです。木箱を型に編んでいきます。
あんつくは作るのがとても難しい民具ですが、この方も初めてとは思えないほど上手。
あんつくは編むために先に縄を作ります。「縄なえ」という方法で作った縄ですが、これが素人にはとても難しい。
島のおじいたちは小さいころから家で縄なえ作りをお手伝いしたり、おじいのおじいが作っているのを見ていて、
作り方を知っている人も少なくありませんが、今では縄なえ作りを見る機会もほとんどありません。
わたしもいつか縄なえが上手になって、いろいろな民具が作れるようになりたいです。
さて、こちら月桃円座も仕上げ。
外周のしつらえをして、芯の部分の先を編みこんでいきます。
完成しました!!!
あとは半端の部分をはさみで切ってできあがり。
終わった時には午後3時。所要目安2~3時間ですので、まあまあこんなもんでしょう。
先生のお手本と比べるとかなりイビツ。。。笑
実際にコースターとして使用すると、底の小さいコップではやや不安定。
やはり初めから均一に作るのは難しいんですね。
とは言えはじめて自分で作ったものだから嬉しいのは当たり前。愛着もひとしおです。
回数を重ねて上手になりたい欲も湧いてきます。
その日のうちに完成しなくても、時間があるときに来て続きを作っていいそうです。
そして材料を自分で調達できるなら、他の民具も講習代だけで作らせてもらえます。
なんてなんて良心的な講習会!
最後に、館長の池原美智子さんにお話を伺いました。
―やちむん館工房をはじめられたのはいつごろですか?
「20年くらい前に制作の現場として開拓して。おじいさんがこの近くでパイナップル畑をしていてね。
最初は井戸を探すところから。焼き物を作るにも染物をするにも水が一番大事。
水道水だと染物も違う色になっちゃうの。井戸水がなければ天水。それもなければ水道水を煮沸して使うのね。
わたしは3年前に新空港が完成してからやっと水道水が飲めるようになったの!五右衛門風呂は今でも使っているのよ。
大川のお店(やちむん館)は38年前にオープンして、それから5年後ぐらいにはミヤヒラのロビーで早朝と夕方、
小さなお店を出店していたのよ!そのころは焼き物とか、ほんとうにたくさん売れたわ。」
―まさかそんなつながりが。。。
「工房を開いて住むようになったら、こんどはこっちにわたしを訪ねてくるようになるでしょ。
そのうち商品も置くようになって。いろんなひとが来て楽しいのよ。」
(やちむん館工房内で販売されている商品)
ニコニコと本当に楽しそうに話をしてくださる池原さんのオーラにこちらも自然と笑顔になります。
「またいつでも遊びにいらっしゃい。やらなかったら作り方忘れちゃうわよ。」
あっという間だったけど充実した時間を過ごすことができて、とってもいいリフレッシュになったなー。
わざわざ時間を作ってでもまた遊びに来たいと思う場所でした。
やちむん館工房
10:00~17:00(不定休)
TEL:0980-86-8960
詳細はお電話でお問い合わせください。
http://www.yachimunkan.co.jp/
*講習会について*
月桃円座 講習代:1,000円
月桃かご 講習代:1,000円 材料費:1,000円~
月桃ランチョンマット:1,000円 材料費:1,000円
布ぞうり 講習代:2,000円 材料費:2,000円
アダン葉ぞうり 講習代:3,000円 材料費:2,000円
月桃枕 講習代2,000円 材料費2,000円
月桃あんつく 3,000円 材料費2,000円
木の実アクセサリー 300円 材料費別
みなさまこんにちは!
立冬を過ぎ、年末が近くなってはいますが、石垣島はまだまだ温暖な日が続いています。
夏のにぎやかな石垣島も好きですが、秋冬の穏やかな島も味わい深くて、とってもいいんですよねー
毎年思うことなのですが、11月って意外と晴れて暖かい日が多いなーって。
この時期にひとりで気ままに出かけたり、子どもをつれてビーチを歩いたり、野山を散策したり、
気軽に外を歩ける、歩きたくなる季節なんです。
さて、そんなときにぷらっと立ち寄れるおすすめスポット「しらほサンゴ村」、
そこで日曜日に開催されている「白保日曜市」をご紹介します。
白保サンゴ村は、ホテルミヤヒラから車で25分、石垣空港に近い場所にあります。
白保郵便局前の交差点を海側に入る。塀の看板が目じるしです。
日曜市が開催されているときは、黄色ののぼりが立っているのですぐにわかりますよ!
集落内に入ってまっすぐ、400メートルくらいで到着。
日曜市は朝10時~13時、早い時間に訪れましたが、すでにたくさんの人で賑わっていました。
こちらは白保で作られた加工食品や野菜たちです。
パパイヤ、うるずん豆、スターフルーツ、ナーベラーなど、どれも聞きなれないかもしれませんが、
地元ではおなじみの食材たち。
うるずん豆とは四角豆のこと。天ぷらやおひたしにして食べると、歯ごたえがあってとってもおいしいんですよ!
パパイヤは煮ると冬瓜のようにやわらかくなり、
チャンプルーやお漬け物などにするとシャキシャキして、こちらも島の定番。
ナーベラーとはヘチマのことです。お味噌汁に入れたり、炒めものに入れたり。
どれもこれも採れたて新鮮、見ているだけで楽しい食材たちです。
織物やてぬぐい、焼き物など、ひとつひとつ島の方たちの手作りです。もちろん全て一点もの。
「あんまぁーのアンダーミシュ」。白保のことばで「おかあさんの油みそ」という意味です。
石垣島のお味噌は古くから米味噌が主流。こちらは豚肉やシイタケなどが入ったおかず味噌になっているので、
おにぎりの具財や、キュウリスティックのトッピングなど、ほかにも炒めものの調味料として、幅広く使えます。
沖縄ではコンビニでも油みそのおにぎりが定番、地元では長年愛されている食材です。
「このパッケージ、石垣島内でよく見かけるけど白保で作られていたんだー」と
ここへ初めて来たときに知って、それ以来、町中の商店などで見かけたらついつい買ってしまいます。
お土産にぴったりの瓶詰商品もありますよ。
こちらで販売されているのは地元で採れたさまざまなハーブで作られたお茶。
月桃茶、カンバラ茶、みなが茶。。。どれも聞きなれない名前ですが、「みなが」とは白保のことばで「お庭」の意味。
お庭のハーブを摘み取ってブレンドしたお茶だそうです。
とにかくどれも爽やかで、香りをかぐだけでほっと一息、なんだか気分が落ち着きます。
自宅用に、お友だちへのちょこっとおすそわけ用に。ティーパックで小さいサイズから買うことができます。
この日は横目研究所の三線ライブがありました。
何はなくとも三線があれば、というのが八重山スタイル。
その場にいる人たちが踊りだせば、みんな笑顔でこたえます。
この日は白保ブランチ「かなっぱセット」をいただきながら、音楽を楽しみました。
白保日曜市を運営している人たちはみんな白保村の地域住民。
「失われつつある村の美しい自然や伝統的な暮らしを後世に伝えたい」と、地域のひとたちが手を取り合い、
スタートさせたのは2005年9月のこと。当初は月1回の開催でしたが、年々その人気が高まり、
2012年以降は毎週開催されることになりました。
今では地元の方以上に観光客が多く訪れるとか。
白保日曜市での売り上げの一部は、サンゴ礁保全活動や地域のこどもたちへの環境学習に使われています。
白保日曜市の運営母体である「NPO法人夏花」さんは、白保日曜市をはじめ、白保集落の伝統文化、自然環境の保全・継承、
地域の活性化などの村づくりに関わる活動をされています。
「白保村での取り組みが、ゆくゆくは沖縄の各地域で地元の方々に広げていきたい。」と事務局スタッフの普天間さん。
何よりそこにいる人たちの楽しそうな笑顔が白保村の魅力を表現しています。
おなかいっぱい胸いっぱい、今日も幸せな気持ちで「また遊びにくるねー!」と声をかけて帰ります。
ちなみにこの日は11月の中ごろ、
最後にかき氷までいただきました。
思っていた以上にここで時間を過ごしてしまいますので、空港に行く途中にちょっと寄り道、という時でも、
時間には余裕を持って行ってくださいね。